時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

1.「アリのヒトカミ」

2021/03/16 火曜日

 

今日から毎日自分のことについて書いていきたいと思います。
「蟻のひと噛み巨象を倒す」という言葉があります。私が好きなアニメ「鋼の錬金術師」の43話にも「蟻のひと噛み」というタイトルがついていて、小学生ながらにどういう意味か不思議に思ったのを覚えています。蟻のような小さな虫でも群れれば象に勝てるという意味なのかとか、アレクサンドロス大王も最期はマラリアで亡くなったという説があるように、蟻が噛んだところから細菌が入って象を倒せるという意味なのかとか、それとも松本引越センターよりもアリさんマークの引越社の方がオススメということなのかとか。いろんな解釈があるとは思いますが、いつからか私は「蟻のような小さな口でも、噛み続ければ象をなぎ倒すことができる」という意味だと捉えるようになりました。言い換えれば、たとえどんなに小さくても、努力を積み重ねれば巨大な敵に打ち勝てるという意味だと思ったのです。
大学に入って最初に学んだ英語の文章では、序盤でベンジャミン・リベットの有名な研究に言及し、私たちに自由意思は存在するのかという問題提起がなされていました。心理学の授業や情報認知科学の授業では、様々な実験や事例を紹介し、「人間は自分のことをよくわかっていない」ということが何度も繰り返し強調されていました。それにも関わらず、人間としての生活を送る中で、自分という存在について説明しなければならない機会は少なくありません。初対面での自己紹介や就職活動における自己分析は既に必要事項とされていますし、そうでなくても「どうしてこれにしたの?」「将来何がしたいの?」「今欲しいものはなに?」といった質問から逃れ続ける人生を送ることはできないでしょう。それは選択や決断と無縁な人生を歩めないのと同じだと思います。
自分自身という最も近くて遠い存在について知るにはどうすればいいか。そうした巨大すぎる問いに対して、私が辿り着いた答えは、自分と対話する時間を増やすということでした。蟻でも象を倒せるように、小さな手でも暗闇に手を伸ばし続ければ、いつかは自分の輪郭に触れることができると思ったのです。そして、それをやれるのは今しかないとも思いました。思い立ったが吉日ということで、次の日には50ページのノート10冊と青ペンの替え芯を10本買い、毎日少しずつ自分にまつわる質問の答えを書き記していきました。そしてそこから得た知見や未公開のエピソードをこのブログに投稿していこうと思い至ったのです。
詳しくは明日の投稿で触れますが、ペンを走らせ続ければ考えが浮かぶことや、何かを継続するには「通算記録」に結びつければいいということを私は肌感覚で理解していました。これから金曜日までは自分の人生観について投稿し、その後は毎回一つのテーマに対して、「幼少期」「小学時代」「中学時代」「高校時代」「高校卒業後から現在」のそれぞれに分けて投稿していこうと思います。一応平日は毎日投稿するつもりなので、例えば「1番嬉しかったこと」というテーマに対して、月曜は幼少期の嬉しかったこと、火曜日は小学時代の嬉しかったこと、というように答えていき、次の週は「1番悲しかったこと」のようにテーマを変えていこうかなと考えています。本来は定期試験が終わった2月1日から春休みが終わる4月9日くらいまで50回分投稿しようと考えていましたが、なんだかんだで今日から始まることになりましたし、5日連続で投稿することはあっても毎週は無理なのかなと感じています。とりあえずやってみようという感じです。できれば毎日決まった時間に予約投稿みたいなこともしてみたいですが、多分無理です。続けていくうちに試行錯誤していくので、今後とも読んで頂けるとありがたいです。

 

 

【記憶が語るフィクション】

 

youtu.be


これから毎回YouTubeのオススメ動画を紹介していきたいと思います。広告を付けている関係で違法アップロードの動画は紹介できませんが、本文の内容とか当時ハマっていたものとかを最後に紹介して投稿を終えるようにしようかなと考えています。基本的に音楽とお笑いが多くなるとは思いますが、今日紹介するのは大学の心理学の授業で視聴したTEDの動画です。このエリザベス・ロフタスさんは心理学でも情報認知科学でも名前が出てきました。特に「教養としての認知科学」ではこうした人間の記憶や知性、思考のあり方が洗練された文章でわかりやすく説明されていて、一冊読むだけで東大の授業を体験できます。エリザベス・ロフタスさんは虚偽記憶について研究しているのですが、この動画を見るだけで洗脳や誘導尋問、過度な取り調べがいかに危険かがわかると思います。やや長めの動画ですが、英語はかなり聞き取りやすく、日本語でも字幕を付けられるので時間があれば是非観ていただきたいです。起承転結の構成とか、中盤で笑いを挟むところとか、最初と最後が円を描くように展開しているところとか、最後の一文がめちゃくちゃカッコいいところとか、文章を書いたり話をしたりする上で勉強になる要素が沢山詰まっています。他にもTEDで紹介したい動画がいくつかあるので、また機会があれば紹介します。ちなみにこの動画を母親と一緒に見た時、「サンタさんはいるけどね」と言ってくれました。