時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

大学受験後も役に立つ英語の参考書

2020/10/17 土曜日

 

昨日は英語以外の「大学生活で役に立った受験参考書」について書きました。

このブログの読者のほとんどは多分大学受験を終えていると思うのですが、昨日は特にTwitterからのアクセスが多く、やっぱみんな今でも参考書とか好きなのかなと思いました。

www.wimper458913.info

今日も順当に「大学生活で役に立った英語の受験参考書」を紹介するつもりなのですが、多分大学を卒業しても英語は使うし役にも立つと思うので、「大学受験後も役に立つ英語の参考書」ということにしたいと思います。

また昨日と同様の基準で「役に立った」としたいのですが、参考書によっては「自分がやり込んだだけ」ということもあると思います。

どんな参考書でも何周もして隅々まで使い切れば、それなりに「役に立つ」のではないかという疑問が生じたので、「今考えても受験期にやり込んでよかったと思う」みたいなのも基準に入れたいと思います。

そうでないと公平性が失われる、と高校1〜2年の時にやった参考書が本棚から抗議してきた気がしました。

よく、この参考書をやって合格しました!みたいなことを言う時に、合格する直前にやっていた参考書を挙げがちだと思いますが、当然その参考書をやるまでに基礎的な学力をつけていることが前提なので、今日は高校1〜2年の時にやっていてよかったものも含めたいと思います。

つまり、「役に立った」という基準は、

・大学入学後に読み返した

・受験期にそれを読んで得た知識が大学生活で生きた

・上京後の家に持っていくほど精神安定剤としての役割を果たしていた

・今考えても受験期にやり込んでよかったと思う

のどれかに当てはまる感じでいこうと思います。

 

 

 

まずは高校1〜2年の時に基礎体力として特にやり込んだものを列挙します。

・ユメタン

自分の高校では当初キクタン【Basic】4000語レベルを使用し、次にユメタン①を使用し始めたのですが、自分はユメタンのレイアウトの方が好きでした。

ただレイアウトが好きすぎるという理由だけで、ユメタン②も自分で購入し、そのうちの何割かは既に知っている単語だったということもあって、高校2年の後半くらいから計15周くらいはしたと思います。

全部で1000語収録されているのですが、とりあえず5周してからは1週間に1周していました。

最後の方は1語0.3秒くらいのペースで確認し、ほぼ全ての単語は覚えていたと思います。

ちなみにユメタン①はキクタンBasicとかなり重複しており、なんで単語帳を変えて2回もやるんだろう、と思っていたのであまりやり込んだ記憶がないです。

一応②は難関大学合格必須レベルとなっていますが、正直これとシステム英単語<5訂版>で大体乗り切れたし、結構ビジネス用語なども多いのでTOEICでも600点レベルまではいけるんじゃないかと思ってます。

しかも他の参考書と違ってCDが既に付いているというのも購入を決めたポイントでした。

 

 

・UPGRADE 英文法・語法問題

これも学校で配られた文法の問題集です。

正直Next Stage英文法・語法問題とどちらが良いのかは分かりませんが、一冊やり込めばどちらでも良いと思います。

「時制」「比較」などのように単元ごとに文法の4択問題が敷き詰められており、なんだかんだ授業中にゲーム感覚でずっとやってました。

これも多分10周くらいしたし、システム英単語と著者が同じなので親和性も高かったです。

とりあえず数の暴力という感じなんですけど、解説のページのコラムに結構いいことが書いてあるし、似たような設問を配置して、語法の違いについて説明しているのも良いなと思いました。

文法書だと結構読まなければ概観を掴めないので、今でも家庭教師のバイトをする前には、このUPGRADEで基礎知識を確認したり出題する問題を考えたりしています。

他にもポレポレ英文読解プロセス50とか合格へ導く英語長文Rise英語長文問題精講英文和訳演習など高2の秋から高3の春にかけて取り組んだ問題集もかなり気に入っていたのですが、これらは受験勉強という要素が強いのでここでは省略します。

 

 

 

ここからは大学の英語の授業でもたまに読み返す参考書について書いていきます。

・鉄壁

これはなんとなく最初に挙げておかなければならない気がしました。

実際600ページ以上にもわたって2000語以上の単語が収録されており、わかりやすいイラストや語幹を使って独特な説明がされている単語帳です。

出題頻度順ではなく、テーマ別に単語が収録されているので、確実に一周しなければならないのが難点ではあると思いますが、簡単な単語にも見落としがちなコロケーションや別の単語とのニュアンスの違いなどが書かれていて、もはや辞書だとすら思っています。

東大王で紹介されたのを機に東大受験生以外も購入しているらしいのですが、やはり鉄緑会が出版していることもあって、自分の周りの東大生もある種のバイブルのように持っているような気がします。

大学入学後の授業前には、合格後の衰えを取り戻すために鉄壁を一周したという話を数人から聞きましたし、駒場祭の景品で未使用の鉄壁を出すという時も鉄壁に書いてあるめちゃくちゃ細かい問題を出し合っていました。

単語帳といえば鉄壁、みたいなところはあると思います。

 

・減点されない英作文

やはり大学の英語の授業といえば英語で論文を書くものなので、英作文系の参考書に頼りがちになってしまいます。

これは後に東大に合格する高校の先輩から薦めてもらったのですが、本当に英作文で減点されないための方策が書いてあります。

コンセプトとしては、どんな英作文もネイティブが厳密に採点すれば満点ではなくなってしまうが、確実に犯してはいけないミスと、許容できるミスがあるので、前者のミスを犯さないようにしようということです。

確かに大学入試では大体6〜7割取れば受かると言われていますし、ネイティブも日本人とやりとりをする時にそこまで厳密な文法規則を求めないと思います。

きちんと英語として成立し、自分の思ったことをぼんやり伝えることを目指すという点で、とても現実に即した参考書だと思います。

特に英作文にしっかり取り組んだことのない人にオススメだと思います。

一応オーソドックスな黄色いものと、実戦攻略編という発展的な緑色のものがあり、自分はどちらも持っています。

黄色い方には「3単現のsを忘れない」という初歩的なことから、say, tell, speak, talkの用法、sameの用法、feelの用法や時制に至るまで、減点されない英作文を書く上で必要となる100個のlessonが書かれています。

その中には英語で表現しやすいように日本語を変えるコツや、訳すべきではない日本語なども含まれており、英作文で使いやすい25個の構文と200個のフレーズも書かれています。

緑色の方は実戦攻略編というだけあって、実際に問題を解きながらコツを伝授していく方式です。

語法やフレーズはその都度説明しているという感じで、どちらかというと英語で書けるように日本語を言い換えていく作業を延々と繰り返していきます。

実際これでコツを掴めた感じはしますし、黄色の方では10ページほどしかなかった自由英作文に関する記述が16問60ページほどあるのも魅力的でした。

ちなみに当時先輩が薦めてくれたのは緑色の方でしたが、大学の授業できっちりとした和文英訳はほとんどやらないし、一度コツを身につけてしまったらなかなか忘れないので、自分が大学に入って見返すのは黄色の方の構文とフレーズのページです。

 

 

 

・よくばり英作文

ドラゴン桜のモデルで、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本を書いた竹岡先生の英作文例文集です。

418個の英作文の例文と、その一つ一つに解説が書いてあり、4行ずつメモを書き込めるスペースがあるので、そこに英作文の授業や参考書で知り得たことを書き込んでました。

これを読めば英作文の全てを思い出すという1冊が自分にとってはこの本です。

付属で付いているCDではアメリカ人女性とイギリス人男性が交互に例文を読み上げてくれるんですけど、受験期にリスニング対策をガッツリやらない日とかにディクテーションの練習として使っていました。

何かと話題性のある竹岡先生ですが、例文と日本語の文の自然さにこだわったらしく、長年教壇に立って生徒と向き合っているからこそ洗練された例文を集められるんだろうなというのが伝わってきます。

 

 

 

・リンガメタリカ

Z会から発売されている話題別英単語帳です。

250語前後の英長文が書いてあって、次のページにその和訳が書いてあり、その長文で出てきた重要単語が羅列しているという形式は速読英単語と基本的に一緒です。

しかしリンガメタリカには、グローバル化、経済、環境問題、科学、生命倫理、差別問題といった様々なトピックについて、まず背景知識が日本語で数ページ分書かれています。

これによって英文だけでなく、出題される英語長文のテーマそのものに対する基礎的な理解が深まりますし、普通に各分野で語られがちなトピックや論点が日本語で読めるので面白いです。

例えば環境問題のページでは、モアイ像で有名なイースター島が取り上げられています。

チリの海岸から3600キロメートルほど離れた絶海の孤島であるイースター島では、各部族の族長が自らの権威を示すために石像を作ることを競い合っていました。

石像を運ぶのにはヤシの幹で作った丸太が利用され、石像を作るのに明け暮れる内に森林伐採が進み、人口は激減して文明は消滅しました。

このことから、大陸から孤立したイースター島と同じように宇宙の中で孤立している地球で、イースター島の人々と同じように限られた資源を使い続ければ地球の文明が消滅してしまうという結論が導けるという話です。

小学校の教科書にあった「モアイは語る」を思い出します。

また文系の自分にとっては疎い分野である遺伝子工学や、何かと話に聞く積極的安楽死やフロイトの精神分析などについても書かれてあり、各分野の袖を掴むことができます。

英語云々というよりも、越境する知性を得られた心地がするのです。

また個人的には速読英単語上級編をずっとCDを聴きながら読んでいましたし、これも質の高い長文が並んでいましたが、若干難しいので、必修編の方が受験勉強的にはいいのかなと思います。

ちなみに上級編のCDは普通のスピードと速いスピードの2種類が収録されているのも推せるポイントです。

リンガメタリカは分野別にまとまって長文が何個か載っているので、テーマに対する理解が深まりやすいような気がします。

難点があるとすればCDが別売りだということです。