時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

BnA Alter Museum

2020/09/24 木曜日

 

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今日で夏休みが終わる

今年は去年の夏休みと違ってほとんど彼女と会えず、家でバイトや読書などをして過ごす長期休暇となった

本当はこの夏休みに運転免許を取ったり、TOEICの試験を受けたり、お盆休みには東南アジア辺りに海外旅行へ行ったりする予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮すると教習所とか海外旅行はちょっと怖いし、TOEICの抽選は落ちるしで、予想していたほどの進捗も生めなかった

これが本当に大学生の夏休みでいいのかとも思ったが、ここ数年では珍しくストレスフリーな状態で家族と過ごすことができ、彼女と会えない期間に扶養ギリギリまでバイトをして年内までの活動資金を確保することに成功した

進学選択を経て無事に経済学部へ内定し、朝8時30分から1科目105分×2の授業を週6科目受けるような日々が明日から始まるわけだが、今日はこの夏休みで2連泊したホテルについて書きたいと思う

そのホテルはBnA Alter Museumというホテルなのだが、それは京都駅からバスで15分くらいのところにある

ちなみに電車の最寄駅は京都河原町で、そこから徒歩5分くらいでも着くことができる

このホテルはMuseumと名前にあるだけあって、アートをテーマにしたホテルなのだが、似たような他のホテルと決定的に違うのはホテルの1室がそのまま1つの作品となっている点である

部屋の壁や廊下に作品が展示されているのではなく、1つの部屋を1人のアーティストが担当しており、部屋ごとにコンセプトやデザインが全く異なっている

ミュージシャンや陶芸家など様々なジャンルのアーティスト16人がそれぞれ1〜2つの部屋を担当して合計31個の部屋を完成させ、10階建てのホテルが31個の作品に分かれた1つの美術館のようになっている

当然部屋によって得られる体験や感想も異なっており、これが今回このホテルに2連泊したくなった理由の一つでもある

まず最初に泊まったのはDouble Dreamsという部屋である

 

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何故か英語で書かれているホームページのBook Nowをタップして日付を指定すると、その日に宿泊できる部屋の一覧を見ることができるのだが、その中でも1番シンプルでインパクトがある部屋だと思ったので宿泊したいと思った

ちなみに天井に取り付けられた紐のオブジェは夢を表しているらしく、紐は人間の思考回路を表しているらしい

この作品を制作したのは菅本智さんという女性の方であるが、この作品は夢の表裏を両面から表したものらしく、寝ている時に見る夢はその人の深層心理が具現化したものであるらしい

だからこそ夢によって無意識のうちに考えていることに気づかされるのであり、菅本さんが言うには、夢の中で解き放たれた思考は頭の中で複雑に絡み合い、自由に形を変えながら部屋いっぱいに満ちていき、同じ部屋で寝ている他者の夢に影響を与えるのだそう

この紐が複雑に絡み合う様子は多様な思考の躍動を表していると考えれば、ただインパクトがあるだけの作品ではないということがわかるだろう


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そしてベッドに横たわって天井を見つめると、思考の旅に誘われるような包容力と迫力だけが視界に入り、別々のベッドで寝ても部屋の中央で思考がリンクするような心地がする

また夢の表裏を両面から表した作品というのは、作品の外よりも内側の方が原色に近い色でできていて、これは夢の内側には色鮮やかな本心が隠されているという意味らしい

確かに何で夢の中の世界には色がついてないことがあるのだろう

まるで昭和初期の映像のように、少し淡くて暗い色の世界が広がっているけど、それを表象する深層心理自体はそんな鈍いものではないはずなのに

 

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次の日に泊まったのは偕老同穴という部屋である

これはカイロウドウケツと読むのだが、あつ森にも出てくるので、馴染みのある人は多いかもしれない

そもそもカイロウドウケツとは深海に生息する海綿の仲間なのだが、この中にはドウケツエビというエビのカップルが棲んでいることが多い

この2匹のエビはこの海綿の中で一生を暮らすため、ここから由来する故事である偕老同穴は「生きては共に老い、死しては同じ穴に葬られる」という夫婦が仲むつまじく添い遂げる契りの堅さを表している

こうしたコンセプトが気に入ったのと、普通に部屋がメルヘンチックでオシャレだったので2連泊することに決めた

部屋に入ると偕老同穴を模したハンドメイドの天蓋が視界に飛び込んできて、9階の窓から差し込む陽の光がより幻想的な雰囲気を演出していた

 

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そしてこのホテルは部屋ごとにデザインが違うだけでなく、部屋の間取りも違うという驚愕の事実が明らかになった

というのも、1日目の部屋には窓がなかったが、2日目の部屋には窓があったし、1日目の部屋にはバスタブがあったが、2日目の部屋には狭いシャワールームしかなかったからである

ちなみに部屋に置いてあるタブレットでNetflixやAbemaを見ることができるが、どちらの部屋にもテレビはなく、コンセントも2つしかなかった

この部屋は作品が床にも広がっていて歩く時に足に引っかかりそうになるし、自分の身長ではベッドに収まりきらない感じもあったが、壁にも可愛い絵が描かれていてめちゃくちゃオシャレだった

 

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ちなみにホテルにはギャラリースペースやバーがあり、宿泊すると一杯分のチケットをもらうことができたので、2日とも夜をバーで過ごすことができた

 

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今回はGOTOトラベルの兼ね合いで宿泊費35%オフで泊まれるだろうと思っていたが、いざホテルに着いてフロントで尋ねてみると、ホームページから予約するとGOTOトラベルが適用されないということを知った

具体的には、フロントで諸手続きに必要な書類を入手して、個人的に申請をしようと考えていたのだが、それは9月上旬までの仕組みであり、今は楽天トラベルなどの予約サイトから特設ページに遷移しないと適用されないらしい

当然部屋や日にちによって値段は違うものの、今回は1人1万円くらいで1泊することができたし、宿泊費の一部はアーティストに還元されるらしい

河原町から徒歩5分とアクセスも良く、5円玉で敷き詰められた部屋など、今回泊まった部屋以外にも魅力的な部屋がたくさんあるので、京都観光に行った際には是非泊まってみてほしい

 

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