時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

新しい実家と春休み

2020/05/01 金曜日

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2月末から4月初旬までを今回の春休みとするならば、春休みの後半はほとんど新しい実家にいることになった

とりあえず3月に入ってから陸上部の全体集合は中止になり、それから1ヶ月後に緊急事態宣言が発令された

両親が関東に引っ越してきたのは3月半ばで、それ以降関西に行った際は旅先で泊まるか、快活や友人の家などを転々とすることになった

俗に言うアドレスホッパーに自分がなるとは思いもしなかったが、社会の格安サービスと人脈によって、それはそれで楽しかった

3月の終わり頃から両親の家に居候する形になると、久しぶりに自炊や洗濯から解放された悠々自適の生活を送り、緊急事態宣言が発令されてから10日後くらいに大学のオンライン授業が開始して、今に至るというわけである

新しい実家には、いつ帰ってくるかもわからない自分の部屋が昔と同じように再現されており、両親も快く迎え入れてくれた

ユニットバスではなく、浴槽に浸かって疲労を取ることができるのもなんだか懐かしく、久しぶりにWiiを起動して1人で暇を潰したり、近くのグラウンドでちょっと走ったりできて本当に居心地がいい

そもそも自分は一人っ子なので、Wi-Fiと自分の部屋があればなんだかんだ生きていけるのかもしれない

大学のオンライン授業も自分は俗に言う文ニート崩れの人間なので、週に4〜5コマしか履修しておらず、バイトの家庭教師もオンラインで週に1回しかない

だからこそ最近は適当に興味のあるTEDを見たり、新書を読んだりして、教養人ぶったことをしている一方で、漫画を読んだりゲームをしたりと退廃的な生活も送ってみたりしている

具体的には進撃の巨人やONE PIECE、鬼滅の刃を適当に一気読みしたり、リオレイア捕獲辺りで止まっていたモンスターハンタートライをナバルデウス以降まで全クリしたりした

自分は小学生の頃からリズムゲームというジャンルのゲームがあまり理解できなかった

当然リズムに特化したゲームということだとは思うが、ドラクエなどのRPGは例外として、自分が子供の頃から好きだったバイオハザードやスマブラやモンハン、パワプロやウイイレだって、全てリズムと関係するゲームであると考えているからだ

相手がこういうモーションに入ったら、このボタンを押して相手の右側に潜り込み、相手の頭部を狙うとか、ボールが渡ったタイミングでボタンを押してパスを繋げていくとか、バウンドしているボールを取るとか、リズムやタイミングが重要になってくる局面は意外と多く、またそうした感覚を持っていると上達しやすい

実際の運動でもドリブルやランニングにおいてピッチやリズムは重要だし、歌を歌う時だけでなく、人前でプレゼンをしたり文章を書いたり時でさえ、大きな意味でのリズムを意識することは多い

それが何故かはわからないが、考えてみればそもそも人間は常に脈拍と鼓動を内面で感じて生かされているような節があると思う

ベランダで日光浴的なことをしているときに、どこかの学校と雲の切れ間を見つめながら、そうしたことを日々考えている

ここでの生活に一つ不満があるとすれば、車がないということである

文ニートのこの期間に免許を取って、両親の車で練習でもしようと思っていたが、コロナの影響で教習所には行けず、免許を取っても乗る車がないという大誤算である

車がないのは引っ越してきたときに廃車にしてしまい、ここでは自転車で事足りそうだから買っていないという単純な理由である

元々乗っていた車は日産プレジデントという車で、父が言うにはかつての日産最高級車だったらしい

厳密にいえばソブリンVIPというらしいが、もう現在では生産されていないのか何なのか、部品が入手しにくいらしく、修理するにも修理できずに泣く泣く手放すことを決めたらしい

自分が生まれた時にはすでにこの車はこの家の生活の一部となっていて、自分も習い事や中学校の時の試合、寝坊して学校に間に合わない時など、何万回も送り迎えをしてもらった

この車は物理的にも精神的にも家族を守ってくれていたし、いつか自分も免許を取って一度は運転してみたかった

25年近く両親が乗り続けている中で、不具合が生じた箇所はかなり多かったが、1番大事なエンジンだけは全く衰えることがなかった

しかし、最後に業者の人が乗って、この家からこの車が去っていく時、エンジンをかけようとしても大きな音を鳴らすだけで全くエンジンがかからなかったらしい

両親が言うには、何度も鳴っている大きな音を聞くたびに、まるでプレジデントが自分たちにありがとうと言っているような気がして、目に涙を浮かべてしまったらしい

実際今まで乗ってきた中でエンジンがかからないことは一度もなく、前日も普通に買い物に出かけているので、本当にここを離れたくなくて声を上げているのではないかと思ったらしい

ONE PIECEのクラバウターマン的なことを思い出し、本当にこんなことってあるんだなという話をした

今までありがとうという気持ちで去っていく車に手を振ると、運転している業者の人が軽く会釈をしたらしく、いや車の方だよと思った頃にはもう車は見えなくなってしまっていた

今までありがとう、日産プレジデント

 

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