2019/10/27 日曜日
今日は受験期のことを話す機会に恵まれた
志望動機と受験期の生活、現在の大学生活と未来への展望というありがちなテーマをインタビュー形式で話す
普通にお世話になっていたことと、自分の経験を還元したいと思っていることに加えて、交通費と謝礼が支給されるということなので、箱根予選会の補助員から帰ってすぐ新幹線に飛び乗った
まずは志望動機や現在の大学生活について聞かれたので、目新しい経験で満たされていますと答えた
ここから40分近く持論を展開してしまい、結果的に受験期のことや今後の受験生に対しての項目に答える時間はなかったのだが、やはり自分は誰かに何かを伝えることが好きだなと再確認できた
自分がこの大学を志望したのは、特にやりたいこともやるべきこともない自分にとって、1番以外を目指す理由がなかったからで、ある種、人生設計から逃げる形で贅沢なモラトリアムが欲しかったからである
学習意欲が高いわけではなく、コンスタントな努力が苦手な自分が浪人生活を乗り越えられたのもここにあると思う
加えて、早く上京しておきたかったというのもかなり大きい
大学の発表で教育の地域格差を取り上げる学生は多く、その多くは貧富の差や学習環境に起因するといった結論を出していたが、自分はそれよりも成功するモチベーションの時点で差がついているように感じる
首都圏には東大に行って当たり前と思えるような塾や学校も多くあり、その点で地方に比べて有利であることは一目瞭然であるが、勉強以外の分野で成功した芸能人が、莫大な費用をかけて子供に受験を課してみても、意外と結果が出ないのも事実である
それは才能や遺伝も少なからず影響しているのかもしれないが、それよりも今の生活が莫大な親の資産によって支えられていることを子供に伝えられていないからだと思う
勉強が好きでない子供にとって、勉強は将来の成功のための手段として認識されるが、親が勉強とは関係ない分野で成功している場合、手段としての勉強が揺らいでしまい、どうもモチベーションに欠けてしまう
東京には観光スポットや高価で美味しいご飯も多くあり、様々な方面で高級感のある感動体験が味わえる場所も多い
高層ビルの最上階で、地上にある星空を見ながらご飯を食べ、あなたも将来頑張ればと教えられた子供は、自分も頑張って将来はこれを日常にしたいと思えるはずだし、逆に都会の喧騒の中で、貧しく孤独に生きることがいかに辛いかを知ることになるだろう
高級な物を身につけることで意識と自覚が生まれ、明日もまた頑張ろうと思えるような経験が都会には多い
マックや激安の殿堂があるだけで比較的栄えていると見なされるような地域に、全く楽しみがないとまでは思わないが、その楽しみを糧に野心が芽生えやすいとは思わない
そういう環境で何かを頑張ろうと思えるのは、その分野を純粋に好きな人だけであり、周りを見渡せば意識のベクトルが落ちていってしまって、チープな夢に満足してしまっているような気がする
だからこそ自分は上京して関東に拠点を構えたかったし、できれば自分の子供も都会で育てたいと思っていた
自分は東京の空気が好きだ
いろんな経歴の人が集まって共存している、いわば選抜合宿のようなまとまりのなさが心地いい
他人に厳しく愛想がないと地方の人は言うかもしれないが、同調圧力と陰湿な排他性で自分の縄張りを守ることに躍起になっているよりは、お互いが干渉し合わない冷たさの方が自分には合っていると思う
しかもこの大学には自分の能力を他人のために使うことを厭わない人も多く、個人的には見てて清々しくなる程の優秀な人も多くいる
生まれつきのエリート意識が余裕を生み、ノブレスオブリージュを具現化したような人と出会えるのはこの大学だからこそだと思うし、入学前に教えてもらえなかった世界を見させてもらっている
自分は本当にこの大学に入学して良かったと思っているが、一方で進振りなどの独特な制度を疎ましく思う人が一定数いるのも理解できる
制度の弊害のようなものは実際あるし、この大学だけでなく、第一志望の大学に合格したからといって、必ずしも幸福度が上がるとも限らない
そうでなくとも受験期のふとした時に、本当にこの大学を目指すべきなのかと自問自答することがあると思う
もっと余裕を持って楽な大学生活を送った方がいいんじゃないかとか、地元から離れたくないとか、そもそも受験せずに働いている同級生の方が人生楽しそうだな、とか
思春期の多感な時期に勉学だけに励むのも普通の人には難しく、世界を開けばいろんな誘惑と好奇心をくすぐるコンテンツが広がっていて、進捗を生めずにもどかしい思いをするのが日常茶飯事だと思う
でも、その思春期特有の感受性や自分の欲望みたいなものもきっと大事にすべきで、それでも自分が1番叶えたい大きな欲望に乗っかるべきだと思う
夜も眠れないほどに燃えたぎるエネルギーを、心が走っていくままに費やして、自分はこれをずっと追い求めていましたと言える何かを持つことがきっと大事で、それが誰かにとっては勉強以外の何かであってもいいと思う
それが自分にとっては上京してこの大学に通うことだったし、この新しい環境でまた新たな自分を更新し続けている気がする
自分が追い求めていたのはこれだったと確信している