時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

自分のいちばん長い日

2019/03/10 日曜日 [あとがき] 2020/08/09 日曜日

 

今日は運命の日

前期試験の合格発表だけでなく、R-1の決勝と3年A組の最終回もある

まず今日は緊張で全く眠れなかった

8時30分ごろから断続的に睡魔が襲ってきて、11時頃から布団を被ってTVerでさんまの駐在さんを見たが、CMが入るたびに時計を見て、掲示板やTwitterを見て、合格発表がまだであることを確かめて、を繰り返していた

というのも去年は11時40分くらいに起きて、自分の部屋でなんとなく東大のホームページにアクセスしたら自分の番号がないことがすぐにわかってしまった

しかもその後に両親がいる部屋に行き、番号がないことを知っていながら初めてそこで合否を知ったかのような芝居まで打ってしまった

そんな苦い思い出がフラッシュバックしたので、正直受かっているような気もしなかった

ちなみに東京大学の合格発表はネットの合格者一覧のページから自分の番号を探すタイプである

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今年は11時50分ごろに両親が自分を起こしに部屋へやってきて、両親が見守るリビングで番号を確認することになった

12時ごろに簡易版っぽいものが掲示板に貼られていて、それを恐る恐る見ると自分の番号があった

でも「これマジ?」みたいなレスをしている人もいて、いやここでぬか喜びをするわけにはいかないと思ってホームページの方を見ると、やっぱり番号があった

「あった」と呟くと、「あった!?」と母が聞き返してきて、自分が頷くと同時に泣いて喜んでくれた

普段は寡黙な父も「やったー!」とお手本のようなバンザイを披露し、なんか自分よりも喜んでいる両親を見て不気味なくらい冷静な自分がいた

というか信じられなかった

自分が受けた文科2類の最低点が去年より8点近く上がって文科1類のボーダーを上回っていたし、試験の手応え的に自分は去年のボーダー前後だと思っていたから、本当に信じられなかった

とりあえず仲良くしていた後輩と彼女だけに結果を伝え、合格通知が来てから他の人々に伝えようと思った

15時頃に合格通知のレタックスが届くと聞いていたのでそわそわしながら自宅で待機していたが、結局届いたのは17時前だった

しかもちょっと雨に濡れていたので、天気と同様に気分は晴れなかった

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とりあえずTwitterとInstagramのアカウントを新たに創設して公式に合格を発表した

数人が拡散に協力してくれたのもあって、多くの人の目に触れる形で発表できたと思う

割とこういう時はみんなシンプルにおめでとうと言ってくれる人が多かったし、「やっとか」「突然消えたからどうしてるかなと思ってた」「気になって名前で検索してブログ読んでました」みたいな人も結構いてびっくりした

自分は忘れ去られた存在だと思っていたので、覚えてくれていたことが嬉しかったし、なおかつ自分のことのように嬉しいと喜んでくれた人や祝賀会を催そうとしてくれる人が多くて、少し意外だった

でも自分はまだ実感が湧かなくて、むしろ手続きなどのミスをしないか不安だった

高校の時の顧問の先生にLINEをすると、「才能は抜けていたから受かると思っていた」と言ってくれた

自分の才能は自分以外の多くの人を幸せにできるらしい

この上なくありがたい言葉だった

今日は自分史上最も長い日だったと思う

そしていちばん不思議な日だった

長すぎる受験を通じて自分は自分自身を見つめ直す機会が増えたと思う

これからは受験期の喜怒哀楽を忘れずに、この経験をこれからの受験生や未来の自分自身に還元していきたいと思う

ここを自分の中のバイブルにしたい

 

[あとがき] 2020/08/09 日曜日

生きた心地がしない10日間と自分史上最高の1日でした。ちなみにこの日のブログが2020年8月現在で最も読まれたブログで、3月10日と11日の2日間でアクセス数は3500を超えました。センター試験以降ほとんど更新していない時のアクセス数が大体1日50前後、大学入学後のアクセス数が大体1日100前後だったことを考えると、これは私にとって凄まじい数です。ただの合格発表のツイートも当時はリツイートが25、いいねも630くらいで、インプレッションも120000ほどでした。他人からの評価が全てではないとしても、これだけ多くの人から祝福される日をあと何回迎えることができるでしょうか。ありふれた言葉ではありますが、この日を境に人生が変わったと言っても過言ではないと思います。それが良い意味で変わったのか、悪い意味で変わったのかはこれからの自分次第だと思っています。

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二次試験が終わった時の感想は「来年は受験したくない」でした。それは単に今年で合格したいと思ったからというより、本当の意味での東大入試の難しさを実感したから出た言葉だったと思います。数学はベクトルの問題ばかり、世界史の大論述は660字になり、その前の年といえばいきなりリスニングの選択肢が4択から5択になりました。試験本番という極限状態の中で繰り返される、途方もないいたちごっこに徒労感を覚えてしまったのです。両親に手応えを聞かれ、渋谷の道玄坂付近で「もう来年は受験したくない」と言ったのを覚えています。母は何も言わず「そうか」と言った感じで見つめていました。今まで模試を含め様々な試験を受けてきましたが、最も手応えのない試験のうちの一つがこの日でした。これで結局合格したのだから不思議なものです。しかも5割前後かなと思っていた日本史で41点を取ることができ、他の科目も感触よりは少しずつ点が高かったです。大学での同期と比べてとてつもなく高い点数を取ったわけではないですが、よく合格体験記などに書いてある「意外と採点は甘い」「点が降りてくる」という意味がなんとなくわかった気がします。特に現役の時は希望的観測もあって「思ったよりも点が来ない」状況が続いていましたが、これは手応えを正確に認識できるほど実力がなかったのだと今になって思います。山の頂上に到達しないと、過去の自分が何合目付近にいたのかわからないのと同じです。逆に、高校同期を含めて私がとても優秀だと思う受験生は自己採点の精度が高く、自分を過大評価することは決してありませんでした。もっと言えば、自分の能力そのものと自分の答案を切り分けて考える能力が高い傾向がありました。点が取れない生徒ほど「自分はこういう意味で書いた」「自分はここまでわかっている」という風に答案を作成する時点の反省はするものの、それが第三者にどう読まれるかを意識しない傾向があるように思います。大学生になって実際に採点や添削をする中で、言いたいことはわかるんだけどな、、という気持ちになることが多いです。受験生だった自分も、採点者や問題製作者と答案を通じて対話するという意識が欠けていたように感じます。

話を合格発表当日に戻すと、本当に多くの人から祝福のLINEが来ました。私は朝食を食べながら霜降り明星がM-1で優勝する瞬間のシーンを観るのが受験期の日課でしたが、本当にこの日を境に生活が一変した感じがあります。エグい、エグいと叫びたくなる高揚感は合格発表後の2時間後くらいに込み上げてきました。私にとっての高校入試は倍率が1.1倍前後ということもあって、それほど喜びや驚きがなかったので、感触としては陸上で全国大会出場を決めた時と似ているなと思いました。本当にM-1直後の霜降り明星のように携帯が鳴り止まず、自分のことをどう思ってるんだろうと思っていた人も普通に祝福してくれました。周りの人だけでなく、私の合格に何の恩恵も受けない人からも祝福されるというのは、それだけで尊い人徳や魅力だと考えています。彼らがどういう気持ちでLINEを送ってきてくれたのかわかりませんが、受け取る側としてはとても嬉しかったです。全て丁寧に目を通し、数日かけて返信していました。3月13日ごろに彼女とドライブに行った時も返信に追われていたことを覚えています。特に高校の陸上部の同期がLINEのグループで祝ってくれたことが嬉しかったです。その後、彼らと約1年半か2年ぶりくらいに会うことができました。長い間連絡を取っていなかったにも関わらず、昨日まで一緒に居たように思えるくらいの距離感で話ができたのが嬉しかったです。

また試験が終わってから合格発表までは昼夜逆転現象を起こしてずっとFODで古畑任三郎を観たり、U-NEXTで進撃の巨人を観ていたりしていたような気がします。FODは2週間無料登録で解約しましたが、U-NEXTはその後大学生活の一人暮らしの強力な仲間となりました。詳細はまた別に書いていますが、FODもU-NEXTも本当に無料で2週間や1ヶ月間のトライアルをやっているので、是非登録してみてください。特にU-NEXTは映画やドラマだけでなくマンガに関しても、普通に見たい作品を見ることができます。ちなみにU-NEXTは1度無料トライアルをした人も、再度無料トライアルをすることができるというお化けのようなキャンペーンをこの前までやっていました。早く登録しないと宝の持ち腐れになってしまう感じはあります。

 

またZ会などの再現答案をやりつつ、俗に言う受験サロンという掲示板も本試験後の暇な時に見ていました。受験期に見るようなものではないような気がしますが、試験が終われば暇つぶしがてら読んでも良いのではないかなと思います。顔も知らない人たちが自分と同じ試験を受けて、どんな感想や思いを抱いているかを知ることができます。荒らしや誹謗中傷も中にはありますが、東大受験のスレは比較的まともな方だと思います。不合格者の反省スレのようなものもあり、又吉の火花を読んでいるようなエモさがあります。掲示板では採点基準や難易度を考察している人がいて、現役の時は必死にそれを見ながら自己採点をし、「でもここが+2点になれば、」「なんだかんだこれでも半分は来るはず」といった希望的観測をしていました。しかし合格した年は再現答案を書きながら、大体何割くらいかなーといった感じでサラッと見返す程度でした。正直、どれだけ自己採点をしても素点が変わるわけではないし、もう力は出し切ったので興味がないという感じでした。それを見て母は、もう本当にやる気がなくなってしまったのだと思い、多分出来なかったのだろうなと思っていたらしいですが、再現答案を書いて試験の振り返りをする内に、結構出来てるなと思っていたような気がします。一つ言えるのは、決して出来なかったから現実逃避をしていたわけではなく、ただ人事を尽くして天命を待っていただけだということです。

そして合格通知のレタックスに関してもそうでしたが、書類が届いてから合格と入学を意識していったと思います。当然合格発表やその後の祝福によって、合格した実感と喜びを噛み締めることはできましたが、入学やその後の大学生活を意識するのは3月14日に諸手続き書類を受け取った時でした。その中には様々な書類と共に入学式の入場券も同封されていて、よく朝の情報番組で見ていた日本武道館での入学式に参加できるんだと思いました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大によって武道館での入学式は執り行われなかったようですが、私の時の入学式では上野千鶴子教授のスピーチが物議を醸し、バイキングなどのワイドショーで本当に大きく取り上げられていました。あの時出席していた新入生やその親御さんたちの中でも、様々な感想があったと思います。その場で出席して聞くのと、後日ホームページに上がっている原稿を読んだりニュースで切り取られた部分を聞いたりするのとでは、全く印象も違います。そして大学生活を送る中で、あのスピーチに対する印象も変化していきました。入学式についてはまた近いうちに[あとがき]を書くと思いますが、ワイドショーで大きく取り上げられるような舞台に私も参加していたということがとても喜ばしいことだなと思います。まさに歴史の証人になることができたのです。今後もこうした社会の中心であり先頭に立つような組織に身を置くことで、社会に一石を投じる出来事に関わっていきたいと考えています。そして今度は歴史の傍観者ではなく、その一翼を担う存在になりたいと思います。結果が全てだとは思いませんが、合格するかしないかで大違いだったなと思います。受験生の方がこのブログを読んでいるのかわかりませんが、後悔のないように頑張ってください。そして私もこの日の喜びを忘れずに、次のステージを目指して頑張りたいと思います。
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