時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

あなたは私を何度see?

2018/09/29 土曜日 [あとがき] 2020/10/26 月曜日

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今日は生まれて初めて4°Cに行った

彼女の誕生日プレゼントを買うためだ

なぜ4°Cなのかというと、端的に言えば王道だからである

プレゼントというと、どうしても何か儀礼的なものであるような感じがしてしまう

完全に自分の悪い癖だと思う

古代中国の冊封体制のように、自分が渡すもので自分の価値や自分から見た相手の価値が決まってしまうような気がして、見栄を張らずにはいられなくなる

まぁ、そもそも誰かへのプレゼントで高価なものを渡すこと自体が初めてのような気がするのだが

ちなみに去年はシルバーのネックレスを渡した

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19歳の誕生日にシルバーアクセサリーを男の人からプレゼントしてもらうと女の人は幸せな恋愛ができるようになる、という言い伝えがヨーロッパにはあるらしい
シルバーである理由は、プラチナと違って放置しておくと黒ずんでしまうからであり、毎日手入れをしてシルバーアクセを身につけていれば身も心も磨かれるらしい
くすみやすいからこそ維持された美しさが際立つというわけだ
欠点が長所を引き立てることに似ている

死があるから生を享受できるし、たまの2番があるから1番を取った時の喜びも引き立つ

そして資本主義が言うには、20歳の誕生日にゴールド、21歳の誕生日にプラチナのアクセサリーを渡すといいらしい

商売人の究極の目的は、欲しくないものを相手に買わせることだと思う

まぁそれでも社会はゴールドのアクセサリーを買えと囁いているから、そんな名もない店で買うのも興ざめなことのような気がして、4°Cの扉を開いた

 

 

扉を開くと、3人の店員と目が合った

客は自分以外に誰もおらず、若手芸人の前説みたいに、あーどうもどうも、というようなノリで挨拶するわけにもいかなかったため、軽い会釈をしてから目の前にある商品を覗き込んだ

視界一面に広がるリングたち

値札を見ると11万だとか28万だとかばっかりで、さすがに4度見くらいしてしまった

これが本当の4度seeである

さすがにおかしいと思ってよく見てみると、ここは4℃ BRIDALだった

場違いと間違いの静けさが店内に広がる前に慌てて店を出て、本来行くべきだった方の4℃に着くと、1人の店員さんと目が合った

20代半ばの女の人だった

「何かお探しですか?」と聞かれたため、『あの、4℃を探しているんです』と答えたら、「ここです」と笑いながら言われた

その後も、『なんかこの店寒くないですか?室内温度も4℃なんですか?』「いやちょっとそれは違います」とか他愛もない会話を続け、彼女の誕生日プレゼントでネックレスを買いたいんです、と伝えるとネックレスのコーナーに案内された

予算は3万円前後だと告げ、何分間かの質疑応答の末、もうこれで決まりかという時に、それがK10であることに気付いた

『いやゴールドならK18じゃないと…』と言うと、「予算が3万円とのことで、18金だと倍近くの値段になってしまうんです…」と言われてしまった

そうか、と思いながらもどうせ買うならちゃんとしたものを渡したいし、そこにこだわっている自分が嫌いではなかったためK18のコーナーへ移動した

すると今度は数分で2つにまで絞り込めた

この店員さんは、一目見た時から息が合うというか、自分がよく喋るのもあるとは思うが、かなり意思疎通が図れていて、『なんか初めて会う気がしないですね』「確かにそうですね、前世で何か関わりがあったりしたんですかね、」なんて会話をするほどに馬が合っていた

結局自分と一緒についてきてくれた人と店員さんとの3人で同時に一方を指差そうという話になり、結果としてこれに決まった

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これだけで既にPS4が2台ほど買える金額ではあるのだが、おまけに2000円で箱が買えると言われた

いや普通に考えて箱に2000円は高いだろとは思ったものの、先ほどのBRIDALの方で法外な金額を見ていたのと既に2000円が端金に思えるほど出費をしていたのもあって、それもつけてもらうことにした

その結果がこれである

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会計を済ましている途中に、この百貨店のポイントカードを作ろうという話になった

住所や氏名、生年月日を書きながら、ふと『え、誕生月なら30ポイントもらえるんか、俺5月やから損したわ〜』と言ったら、店員さんも「え、私も5月生まれですよ、」と言った

少し間が空いて、沈黙を埋めるためにさりげなく『え、何日ですか?』と尋ねると、その店員さんは「ヨウカです」と答えた

一瞬何が起こったのかわからなかった

ヨウカが8日のことだと落ち着いて認識するまでの2秒が、まるで法廷で判決を待つ時のような、どこまでも広がりを持った時間だった

ヨウカって20日のことだっけ?いやそれはハツカだ、ハツカ、小学校の時の夏休みにハツカダイコンの観察日記を8月29日と30日の2日で終わらせてフツカダイコンにしたんだった、なんてことを考えているうちに「僕も同じです」とだけ告げた

店員さんの目が大きく見開いたのを見るやいなや、僕は店を飛び出した

全身の鳥肌がそうしろと叫んでいた

前世で何か関わりが関わりがあった、という会話さえも神が仕組んだ運命だったような気がした

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[あとがき] 2020/10/26 月曜日

主に2年前の誕生日プレゼントについて書かれています。喜ばしいことに、つい先日4度目の誕生日プレゼントを渡すことができ、今読み返すと最初はこんな感じだったなと懐かしさすら感じています。1番最初の誕生日は母と2人で選びに行き、半ば母の提案を押しのける形でミニーちゃんのネックレスを選びました。1番最初にいいなと思ったのがこのネックレスで、その後色々ボストンバッグなどを見て回ったのですが、やっぱ最初にいいなと思ったものが1番いいことが多いのだと母も背中を押してくれました。当然ブログに載せるためにプレゼントを選んでいるわけではないですが、当初はSNSなどをあまり活発にやっていなかったこともあって、写真はあの一枚しかありません。しかもサプライズでプレゼントを渡そうと思ったら、逆に浮気などを疑われ、マクドナルドで少しキレながら渡したのを覚えています。確かに自分はサプライズをするタイプではないし、ほぼ毎日一緒に居たのに、空白の数日があれば怪しまれてしまうのも無理はないのかもしれません。しかもマクドナルドで写真を撮ったので、黄色い照明が何重にも照らして白く光るシルバーの輝きを捉えきれていません。確か1〜2万円くらいだったような気がしますが、ミニーちゃんの片耳にチェーンが付いているので、常に斜めになっている感じがオシャレだなと思って買ったのを覚えています。次の年にK18のネックレスを渡して以来、一度も身につけているのを見たことがありませんが、彼女が言うには今も大切に家で保管しているそうです。当時は大事な試験や願い事をするたびに、あのネックレスを強く握りしめていたため、1年が経つ頃には普通にくすんでしまったらしいし、ネックレスは同時に2つも付けないらしいです。身も心も磨かれるとは一体何だったのでしょうか。ちなみにシルバーアクセサリーの言い伝えによれば、そもそもシルバーが月の女神の魔力を持つ金属とされており、悪霊から身を守ってくれるらしいです。確かに10代最後であり、女性にとって厄年である19歳という1年を無事に乗り切ってくれた時点でミニーちゃんの役目は果たしたのかもしれません。このブログの読者はほとんどが成人男性なのではないかと予想していますが、今後19歳を迎える女性がいるならば、恋人にシルバーアクセサリーをせがんでみてもいいと思います。ちなみにミニーちゃんの方は現役引退という運びになってしまいましたが、4℃のゴールドネックレスは今でも欠かさず付けてくれていますし、忘れた時は家まで取りに帰ると駄々をこねて、しばしば私を困らせています。

 

20歳の誕生日は前年のミスを踏まえて、短時間で買い物を済ませ、いつまでも使えるようにK18のものを買いました。将来の自分に対してのメモとして、ここで金について書いておきます。まず金には大きく分けてK10とK18とK24があります。K24が俗に言う純金であり、金の割合が100%です。これを24分割で表すので、K18はアクセサリー全体の75%が金で出来ていて、K10は全体の42%が金で出来ています。算数が苦手な人のためにもう少し説明しておくと、24が100%なので、24:100=18:xよりK18はx=1800÷24=75%、24:100=10:xよりK10はx=1000÷24=41.66…つまり約42%が金で出来ているということです。当然金の割合が高いほど価値が高く、値段も高価になるので、K10よりK18の方が高いです。文中でK18なら倍近くの値段になると言っていたのはこういうわけです。ちなみに純金であるK24は柔らかすぎてアクセサリーに向いていません。金以外の25%だったり、58%だったりには銀や銅などが混ぜられているのですが、この割合はメーカーによって違います。理論上、75%の金が入っていれば残りが何であってもK18となります。K18やK10といった違いの他にピンクゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールドという種類もあります。確かに値段的にはK18の方が高いですが、例えばピンクゴールドであればK10の方が金の割合が小さい分、赤みを出す銅の割合が大きくてはっきりとした色になります。金以外の部分に何が含まれているかで色合いが変わるということです。輝きに関してはK10とK18とで大差はないとする人も一定数存在しますが、正直本当に大差がないのであればわざわざ倍近く値の張るK18を買う人がいるのは何故でしょうか。やはりK18の方が金の割合が大きい分、変色しにくく手入れも簡単です。その分変形したり傷つきやすかったりはするのですが、こういう記念日のプレゼントにはK18を使用し、普段のカジュアルなファッションには安価なK10を使用すればいいのではないでしょうか。ちなみにこれをプレゼントしたおかげでミニーちゃんが現役引退を余儀なくされたことと、19歳はシルバー、20歳はゴールド、21歳はプラチナという流れを踏まえて、21歳の誕生日にはプラチナダイヤの指輪を渡しました。人の夢は終わりません。

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